【Deep China】「辛亥革命志士後裔訪問団」、東京・百年留学生記念館を訪問──先人の志を継ぎ、日中文化交流の深化を誓う

2025.10.21



(取材・文/劉聰/在日中国人ライター)


9月12日、「辛亥革命志士後裔訪問団」(団長:孫文の曾孫・王志雄氏ほか計14名)が、東京都内の百年留学生記念館を訪れた。

「辛亥革命志士後裔訪問団」は、辛亥革命に関わった革命家や志士たちの子孫が、先人ゆかりの地を訪ねて歴史を顧み、交流を深めることを目的とした現代の文化交流プロジェクトだ。

今回の訪問は、辛亥革命の志士たちが日本で学び、思想を磨いた歴史を振り返るとともに、日中両国の民間文化交流をさらに促進することを目的として実施された。

訪問団は、中华辛亥文化基金会、中国同盟会广州后裔联谊会、河南辛亥革命研究会、辛亥武昌首义同志会(台湾)など、六つの団体によって共同で組織され、9月10日から15日までの日程で日本各地を訪問。東京訪問はその中核行事のひとつとなった。



留学生史料に見入る後裔たち

百年留学生記念館では、明治から大正期にかけて日本に留学した中国の青年たちの資料や写真、生活記録などが展示されている。

訪問団のメンバーは、孫文、秋瑾など、辛亥革命を支えた志士たちの留学時代の足跡を示す展示に深い関心を寄せた。

この日、都内の中国人留学生も加わって交流会が開催され、年長の参加者は家族に伝わる留学の物語を語り、若者たちは現代の留学体験を共有した。世代を超えた対話が交わされ、温かな雰囲気に包まれた。
その後、訪問団は宮崎滔天旧宅や横浜中華街、神戸の孫文記念館も訪問。辛亥革命の精神を次世代に継承し、日中両国の若者交流をさらに広げていく意向を示した。

百年留学生記念館の宋浩副館長は今回のイベントについて次のように語った。

「今回の訪問は非常に意義深く、留学生や訪日学者の皆様、そして辛亥革命志士後裔訪問団の方々からも高い評価をいただきました。交流会では、百年前の雑誌や史料を手に取りながら意見を交わし、当時の留学生たちの足跡や歴史的瞬間を共にたどることができました。世代や国境を越えて過去と現在、そして未来をつなぐひとときとなり、私たちにとっても大きな喜びでした。今後もこのような歴史と交流を結ぶ活動を継続していきたいと思います。」

取材では、訪問団の一人である藍薇薇氏(辛亥革命の指導者の一人・藍天蔚元帥の曾孫娘/南京辛亥粥会会長/辛亥武昌首義同志会大陸地区代表)への独占インタビューを実施。
辛亥革命の精神や訪問団の今後について伺った。



辛亥革命志士後裔訪問団・藍薇薇氏インタビュー
(藍天蔚元帥の曾孫娘/南京辛亥粥会会長/辛亥武昌首義同志会大陸地区代表)

(写真右側:藍薇薇氏)


−−「辛亥革命志士後裔訪問団」とはどのような団体ですか?

「辛亥遗泽,携手同行(辛亥の遺志を受け継ぎ、手を取り合って進む」)」。
この八文字がご質問への答えとなります。

大陸、香港・マカオ・台湾地域、さらには海外に至るまで、歴史の生きた化石とも言える辛亥革命後裔の集団が存在しています。

これについて、中国・武漢の辛亥史学者・厳昌洪氏は、「辛亥後裔の足跡は世界五大州に及び、その活動分野は政界・商界・学界に広く分布し、その中には多くのエリート人材がおり、無視できない社会的集団である。彼らの多くは革命家の子孫としての自覚を持ち、先人の革命的功績を誇りに思っています。辛亥革命後裔というアイデンティティが彼らに自然な親近感をもたらし、頻繁に連絡を取り合い、助け合っています。一部の地域では後裔たちが独自の組織を設立し、活動を行い、様々な方法で自らの声を発信しています」というように説明しています。

今回の活動を主催する中華辛亥文化基金会、中国同盟会広州後裔聯誼会、河南辛亥革命研究会、辛亥武昌首義同志会(台湾)は、まさに両岸四地域にまたがる辛亥革命の伝統を継承する民間団体です。

(※記事全文はnoteで開設している「HYAKUYOU【Deep_China】」でご覧いただけます。リンクはこちらから→https://note.com/hyakuyou_dc/n/n125296d74871

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