雲南滇中新区、東京で投資促進説明会を開催
南アジア・東南アジアへのゲートウェイとして日本企業との連携強化を呼びかけ

2025.11.12

11月6日、東京・京王プラザホテルにおいて「雲南滇中新区2025年日本投資促進説明会」が開催された。
中国西南部の国家級新区として急速な発展を遂げる雲南滇中新区の代表団が来日し、日本の経済界や企業関係者に対し、その地理的優位性や良好な投資環境をアピール。日本企業とのより深い協力関係の構築に強い期待を表明した。



日中協力の新たな章へ、期待を込めた挨拶

説明会は、雲南滇中新区管理委員会段宏波副主任による主催者挨拶で幕を開けた。
段副主任は、「中日両国は海を隔てて向かい合い、交流は幾千年にもわたって続いてまいりました」と両国の深い関係に触れ、「『日本の技術+雲南の資源とルート+東南アジアの市場』という複合的な発展モデルの形成を推進しています」と述べ、新区が持つハブ機能と日本企業の技術力を組み合わせることで、大きな相乗効果が生まれるとの考えを示した。
挨拶の最後には、雲南の象徴である象の工芸品を「最高の協力パートナー」の象徴として紹介し、会場を和ませた。


続いて、来賓として中国国際貿易促進委員会駐日本代表処史銘首席代表(一社)日中投資促進機構大鹿眞吾事務局主査、また、共催である(一社)日本雲南総商会会長認定NPO法人日本雲南聯誼協会理事長初鹿野惠蘭氏が登壇した。

史銘首席代表は、大阪・関西万博への中国の積極的な参加を例に挙げ、「中国の対外開放の扉はますます大きく開かれています」と強調。両国首脳会談で確認された「建設的で安定的な中日戦略的互恵関係」の構築に向け、経済界の協力が不可欠であると訴えた。


大鹿主査は、雲南省がプーアル茶やマツタケ、コーヒーなどを通じて「日本人にとって大変身近な地域」であると紹介。さらに、多くの日本企業が関心を持つ東南アジアへのビジネス展開において、雲南省が「陸のゲートウェイ」としての重要な役割を担っていると指摘した。


初鹿野理事長は、日本雲南総商会がこれまで行ってきた数々の経済・文化交流活動を報告。「雲南滇中新区の力強い発展に伴い、日中両国の産業にさらに広範な協力の機会をもたらすものと確信しております」と述べ、今後も両地域の架け橋として尽力していく姿勢を示した。



滇中新区の魅力と可能性 ― 投資プロモーションとMOU調印式

説明会では、雲南滇中新区投資促進局潘辰副局長が登壇し、新区の投資環境についてプレゼンテーションを行った。
新区が国家級ゲートウェイハブ空港である昆明長水国際空港を擁し、「5時間アジア航空経済圏」の中心であることや、中国ラオス鉄道をはじめとする鉄道網により、南アジア・東南アジア市場へのアクセスが極めて容易であることを具体的なデータと共に解説。「バイオ医薬品、電子情報、ハイエンド設備製造、新素材」などの重点分野を紹介し、日本企業からの投資を呼びかけた。


その後、協力関係を象徴するMOU(覚書)調印式が執り行われ、雲南滇中新区臨空先進製造業発展局が、アスティック環境エンジニアリング株式会社および株式会社WBHとそれぞれ協定を締結。今後の具体的な連携に向けた大きな一歩を踏み出した。



新区を代表する先進企業によるプレゼンテーション

続いて、滇中新区に進出している企業4社が、それぞれの事業内容や技術について発表した。


1.雲南誠志偉清生物科技有限公司
産業用大麻から抽出されるCBD(カンナビジオール)の研究開発と製品化を紹介。合法性と安全性を確保した上で、化粧品や医薬品原料として世界80以上の国・地域に展開している実績をアピールした。



2.昆明先導新材料科技有限公司
希少金属分野で世界をリードする企業として、半導体向け先端材料などを紹介。雲南省の豊富な資源を活用し、昆明を南西地域の拠点としてさらなる発展を目指す計画を明らかにした。



3.雲南三江本草薬業有限公司
伝統的な薬材である「菲牛蛭(ヒル)」に含まれる天然の抗凝固酵素「ヒルジン」の効能を紹介。脳心血管疾患への効果に加え、美白効果も期待されるとして、健康・美容分野での応用の可能性を示した。



4.東源薬業科技(昆明)有限公司
天然植物由来の医薬品・機能性食品・化粧品の研究開発について発表。特に糖尿病足などの難治性創傷に対する再生修復分野での顕著な臨床成果を報告し、高い技術力を示した。



説明会は盛況のうちに閉会し、その後は懇親会へと移行。
参加者たちは和やかな雰囲気の中で交流を深め、今後の協力に向けた対話の輪を広げた。
今回の説明会は、日本と雲南、そして滇中新区が新たなパートナーシップを築き、共に未来を創造していくための重要な契機となった。

(写真:「日本華僑報」提供)



今回の取材では、雲南滇中新区投資促進局潘辰副局長への独占インタビューも実施。
日本での説明会を終えての感想や今後の展望等について伺った。


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雲南滇中新区投資促進局副局長・潘辰氏インタビュー

−−今日はありがとうございました。とても素晴らしいイベントでした。色々と質問させていただければと思います。

潘辰副局長:
皆さん、こんにちは。私は雲南滇中新区投資促進局の副局長・潘辰と申します。
今回、2025年の滇中新区投資説明会を東京で開催できることを大変嬉しく思います。
日本の関連する経済界、商工連合会、そして日本雲南総商会の皆様からの多大なるご支援に心から感謝申し上げます。
皆様のおかげで、今回のプロモーションイベントは非常にスムーズに、そして成功裏に終えることができました。また、本日ご臨席いただいた企業家や企業の皆様の多大なるご支援にも感謝いたします。本日の説明会を通じて、より多くの日本の企業家や友人の皆様に、雲南、昆明、そして滇中新区についてご理解いただけると信じております。

国家レベルの新区として、滇中新区は国家の戦略的な意義と役割を担っています。そのため、今回のプロモーションイベントや日本での視察交流を通じて、友好の架け橋を築きたいと考えております。これにより、日本の友人、特にバイオ医薬や電子情報などの産業で優れた企業家の皆様が滇中新区を訪れ、雲南の優れた資源と相互補完的な交流を行えるようになることを期待しています。

我々には非常に良好な生物多様性の基盤があり、資源面での基盤も整っているため、日本の企業家が雲南に投資する際には、より良い産業発展の土台を提供できます。

このような条件下で、雲南は南アジア、東南アジアへの玄関口という地理的優位性も持っています。
これにより、祖国14億人の人口を背後に、南アジア・東南アジアの25億人の市場にアクセスすることが可能です。この約40億人という巨大な人口ボーナスを抱える市場で、企業はより大きく、より強くなることができます。内陸部から事業を展開し、雲南という窓口を通じて南アジア、東南アジアへと発展していくことができるのです。
今後、雲南や昆明で日本の企業家の皆様とお会いできる機会があることを願っております。ありがとうございました。


−−本日、こちらのイベントに参加され、成功裏に開催されたご感想はいかがですか?

潘辰副局長:
本日の第一の感想は、日本の皆様の情熱です。
説明会の会場では、皆様が非常に熱心に私たちの紹介をご覧になり、耳を傾けてくださいました。
また、本日招待した滇中新区の地元企業4社も、自社の紹介や製品を持参し、皆様との交流は大変活気に満ちていました。これが最も大きな感想です。

第二の感想は、日本の皆様の仕事に対する厳格さと真摯さです。
開催前の日本雲南総商会をはじめとする関連団体の組織運営から、スタッフによる会場の設営・手配に至るまで、仕事に対する真摯で厳格な姿勢が随所に表れており、これらは我々が学ぶべき点です。
ここから、日本の企業家の皆様の仕事に対する姿勢を窺い知ることができます。


−−具体的に、滇中新区はどのような企業や個人からの投資を期待されていますか?

潘辰副局長:
紹介の際にも申し上げましたが、現在、外資の中国国内投資に関するネガティブリストに記載されているもの以外は、すべて歓迎いたします。これにより、より多くの企業が中国へ、雲南へ、そして滇中新区へ来てくださることを期待しています。

滇中新区の主要な産業分野としては、バイオ医薬、電子情報、ハイエンド設備製造、そして臨空経済を重点的に発展させています。そのため、これらの関連産業分野における日本の企業に、雲南や滇中新区への投資を重点的にご検討いただきたいと強く願っております。


−−今後、滇中新区はどのような発展目標を掲げていますか?また、将来の投資誘致活動の目標は何でしょうか?

潘辰副局長:
現在、我々は対外交流と協力を強化したいと考えております。
そのため、毎年、日本や韓国、そして南アジア・東南アジアの関連する近隣諸国を訪問する計画を立てています。

これらの対外協力・交流の機会を通じて、一つには現在の中国、雲南、そして昆明の発展状況を紹介し、近隣諸国のより多くの友人に中国の現状をご理解いただくこと、もう一つには、より多くの近隣諸国の企業に雲南へ投資し、事業を興していただくことを期待しています。

我々は毎年このような計画を立てており、来年もこのような形で日本の友人の皆様と再びお会いし、共に未来を語り合えることを願っております。


−−最後に、日本の読者の皆様に伝えたいメッセージがあればお願いします。

潘辰副局長:
中日友好の歴史は長く、その源は遠くにあります。今後、我々が相互理解を深め、共通認識を活かし、この友情が末永く続くことを願っております。


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今回の説明会とインタビューを通じて、滇中新区が日本企業との連携にかける熱意と、その巨大なポテンシャルがひしひしと伝わってきた。

「中日友好の歴史は長く、その源は遠くにあります」という潘辰副局長の言葉に象徴されるように、長年の友好関係を土台とした新たな経済協力のステージが、今まさに始まろうとしている。

「日本の技術+雲南の資源とルート+東南アジアの市場」という複合的な発展モデルが、両国の未来にどのような実りをもたらすのか、その展開から目が離せない。




(取材・文/劉聰/在日中国人ライター)

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