例年5月、練馬区の光が丘公園けやき広場で2日間に渡って開催されるモンゴルのお祭り「ハワリンバヤル（春祭り）」。
1998年から開催されている日本最大級のモンゴルフェスティバルです。

「ハワリンバヤル」は、在日モンゴル人たちが役に立つ情報やサービスを発見し、自分たちの伝統や歴史、文化を国際コミュニティに伝えながら、モンゴルと日本両国の友好関係を強化することを目的に開催されています。

駐日モンゴル大使館やモンゴルに関わる様々な企業、飲食店が参画する大規模なイベントですが、驚くべきことに主催は「在日モンゴル留学生会※」、つまり学生たちです。

今回インタビューしたムンフバト・ウーガンバヤルさんは、そんな在日モンゴル留学生会の元副会長で、第20回目のハワリンバヤル実行委員長も務めた方です。

ムンフバト・ウーガンバヤルさんは、「ウーガ」の愛称でモンゴル人、日本人問わず慕われており、現在は日本の施工管理事務所で働いています。
そんなウーガさんに来日のきっかけや日本での生活についてお聞きしました。

 

※在日モンゴル留学生会
1996年に在日モンゴル留学生の互助組織として発足。主にモンゴル人留学生の日本生活支援や日本でモンゴルを紹介する様々なイベント活動などをおこなう。会長及び幹部は各年度ごとに選挙で選出されている。

 

 

––今日はよろしくお願いします。まずは来日のきっかけなどを聞かせてください！

私は2017年9月に留学のために来日しました。
モンゴル科学技術大学を卒業した後、漠然と海外に行きたいと考える中で、日本に親しみを感じていたことが日本留学のきっかけです。

元々、日本のアニメや文化が好きでしたし、中学高校で日本語を少し勉強していたので、他の国と比べて、日本への親近感は強かったですね。

 

––どういった分野を学ぶために留学されたんですか？

モンゴル科学技術大学では建築学を学んでいました。そのため来日後、日本語学校に1年半通った後、法政大学の大学院に入学して、建築学を学びました。

卒業後は建築士事務所への就職も考えましたが、まずは実際の現場を見たいという思いから、施工管理事務所に就職しました。

 

––日本の学生生活はどうでしたか？

日本語学校時代から、新聞奨学生として働いていたこともあって、毎日とても忙しかったですね。
ほぼ毎日深夜から働いて、朝学校に行って授業を受けるという生活でした。
その合間に在日モンゴル留学生会の活動などをしていました。

 

––その生活の中で、在日モンゴル留学生の活動にも尽力されていたのはすごいです！

在日モンゴル留学生会の副会長や「ハワリンバヤル」の実行委員長としての活動に注力することができたのは、コロナ禍の影響も大きいですね。
コロナ禍では、大学に行くことができなくなって、在宅時間が増えましたから。

その期間、在日モンゴル留学生会としても、様々なオンラインイベントを開催しました。
例えば、モンゴルの高校卒業後に来日して、日本語学校で学ぶ在日モンゴル人学生のためのオンライン進路相談などを開催しましたね。

 

––ウーガさんは、コロナ禍で「ハワリンバヤル」実行委員長を務めたこともあって、初のオンライン開催に踏み切ったんですよね。

そうですね。私が実行委員長を務めた際は、オフライン開催が難しかったため、初めてオンラインで開催することにしました。

オンラインでモンゴル文化を体験できるコンテンツを充実させたほか、第20回を記念して、これまでの「ハワリンバヤル」の歴史をまとめた記念冊子も作成しました。
関係者へのインタビューなどをはじめ、他のメンバーと役割分担しながら完成させて、達成感を感じましたね。

 

––ウーガさんは現在8年間日本で暮らしていますが、日本での生活はどうですか？

来日当初は全てがチャレンジでしたが、生活に慣れたこともあり、そういった要素が少なくなったように感じます。
学生時代は留学生会の活動などもありましたが、最近はそういったコミュニティ活動もできていません。
家と職場とジムの往復の繰り返しで、毎日が少しつまらなく感じています（笑）

 

––日本の生活で苦労したことはありますか？

苦労とは少し違いますが、アルバイト中に仕事を失敗することってありますよね？
その時に上司から「もうおまえ国に帰れ」と言われて怒られたのは、とても辛かったですね。悲しい気持ちになりました。
私に限らず、外国人に対して、そのような言葉を使って叱責するのは間違っていると思います。

 

––最後の質問ですが、今後挑戦したいことや目標はありますか？

先ほど言ったように、最近は毎日の中にチャレンジがなくなっているので、何か新しいことに挑戦したいですね。
私はどちらかと言えば、「遊び」というより、「仕事」や「社会活動」に関連したチャレンジをしたいタイプです。

例えば、在日モンゴル人留学生向けの就職支援や在日モンゴル人向けの生活支援を目的としたコミュニティを作っていきたいと考えています。
日本での生活の情報や知恵を共有し合うコミュニティを作ることはとても重要ですよね。

将来的に起業もしてみたいですね。
在日モンゴル人向けのモンゴルの不動産投資や日本の化粧品のモンゴル向け輸出などは、需要があると思うので、色々と考えていきたいです。

 

・ハワリンバヤル
HP：https://harumatsuri.net

 

 

（HYAKUYOU編集部）

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