
(劉宇博さん)
今回インタビューさせていただいた劉宇博さんは慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に通う大学院生です。
北京出身で、中国の大学を卒業後、大学院進学のために来日しました。
エンターテイメント全般に関心がある劉さんは、来日後、様々なオーディションに積極的に参加しています。
昨年(2024年)にはミスター慶應SFCコンテストに参加し、ファイナリストにも選ばれました。
劉さんは、母語である中国語のほかに、日本語、英語、タイ語、韓国語などでのコミュニケーションができるほか、これまで19カ国の国を訪れたことがあるなど、国際色豊かなパーソナリティの持ち主です。
昔から人を楽しませることが大好きだという劉さん。
将来エンターテイメント業界での活躍を目指す劉さんに、業界に関心を持ったきっかけや今後の目標などについてお聞きしました。
−−今日はよろしくお願いします!最初に劉さんに自己紹介をしていただけますか?
私は北京出身で、慶應義塾大学大学院政策メディア・研究科の大学院2年生です。
中国では北京第二外国語大学に在籍し、観光学を専攻していました。
本当は高校卒業後からエンターテイメントの世界に進みたかったのですが、成績がある程度良かったことや当時は自信がなかったこと、周囲で大学進学しないという選択肢がなかったことから、大学進学を決めました。
大学で観光学を専攻した理由は、子どもの頃から旅行が好きだったからです。
生まれも育ちも北京なので、他のところで生活してみたいという気持ちも強かったです。
性格については、人からは「自己流の哲学を持っている」、「国境を越えられるユーモアを持っている」、「あざとくてかわいい」とよく言われます。
自分にはそんな自覚はないですが、言われると嬉しくなってしまうところは、少しあざといかなと思います(笑)
−−来日のきっかけについて教えてください!
小学生の頃、大阪旅行に行ってから、日本が大好きになり、日本の音楽や映画、ドラマにハマりました。
そこから、いつか日本で暮らしてみたいと思うようになりました。
元々、大学卒業後は留学したいと思っていたことに加え、日本で芸能活動をしてみたいという思いもあり、現在も在籍している慶應義塾大学大学院に留学することにしました。
−−大学院の研究テーマは何ですか?
大学院では「タイのエンターテイメント」について研究しています。
幼い頃から、日本と同じように、タイのエンターテイメントも好きだったことが研究テーマを決めたきっかけです。
研究を通じて、タイ語も少しできるようになりました。
−−エンターテイメントに興味を持ったきっかけは何だったんでしょうか?
子どもの頃から映画やドラマが大好きで、いつか自分もその「中」の人になってみたいと思っていたことがきっかけです。
中国で芸能活動に挑戦することも考えたのですが、コロナ禍で活動が難しくなったことから、今は日本で頑張ろうと思っています。
−−映画やアーティストの中で好きな作品や人はいますか?
日本映画では是枝裕和監督の「海街日記」が好きです。
ピクサーの「リメンバー・ミー」という映画も好きで、聖地巡礼のためにメキシコに行ったほどです。
アニメだと「名探偵コナン」、好きなアーティストは最近だと藤井風さん、昔から好きなのはKinKi Kidsさん、倉木麻衣さんですね。
−−劉さんは将来的にエンターテイメントに関わる仕事がしたいと仰っていますが、その理由は何でしょうか?
良いか悪いかは別として、私の周囲には、成績が良く、いい大学に入りたい、いい就職をしたい、お金持ちになりたい、といった考えを持つ人が多かったです。
昔から、自分はそういう考えと少し違うと感じていましたが、具体的に行動することはなく、大学に進学しました。
しかし、大学入学後、コロナ禍になって、「人生一度きり」という思いが強くなり、自分がやりたいことをやろうと決意して、エンターテイメント業界での活躍を目指すことにしたんです。
大学在学中、芸能活動に挑戦しながら、就職活動もしてみたんですが、自分には向いてないことを実感しました。
恥ずかしいですが、私の良いところは「他の人に影響を与えられる」ことだと思っています。人を笑わせたり、楽しませることが大好きです。
一緒にいるだけで、笑ってくれたり、元気が出ると言ってくれる友だちもいます。
そういう意味でも、自分は芸能活動に向いているのではないかと考えています。
自分の存在で人を楽しませたいです。
自分の存在で、できる限り多くの人の心を動かしたい、虚しさのような心の穴を埋めたい、他人のために何かしたいという気持ちが強いです。
これまで、自分の人生の意味についても、ずっと考えてきました。
大手企業への就職やお金持ちになるといった、社会で理想とされている人生について、ずっと疑問を持っていたんです。
もちろん、そういう生き方は「安心」に繋がると思いますし、達成するために多くの努力が必要だと思います。
しかし、私としては、自分なりの人生を歩いてみたい、妥協したくない、他人にとって役に立てる人間になりたいという気持ちが強いです。
そういう人間もいるからこそ、社会はここまで発展できたのではないかとも思っています。
私はそこまで偉い人間ではありませんが、自分のユニークな性格やユーモア、他人に影響を与える能力を使って、人が疲れた時、辛い時の心の支えになりたいです。
−−現在の劉さんの芸能活動や昨年のミスター慶應SFCコンテストへの出場について教えてください!
私自身は役者、音楽、モデルなど、幅広くエンターテイメント全般に興味があるので、日本で色々なオーディションに参加していて、映画やドラマのほか、PVへの出演や歌モノのコンテストに出場するなどもしています。
演技力や歌唱力向上のためのワークショップなどにも参加しています。
ミスター慶應SFCコンテストは、エンターテイメント業界で活躍するという自分の夢に近づくために挑戦しました。
ミスターコンに参加して、楽しかったですし、知り合いが増えたのは嬉しかったです。
ライブ配信などを通じて、応援してくれた人たちの暖かさも感じられて、とても癒されました。
本当に参加してよかったと思っています。
一時期、友だちから「ミスター」というあだ名で弄られたのも良い思い出です(笑)
−−中国語、日本語、英語、タイ語、韓国語と多彩な言語を操る劉さんですが、どういう経緯で語学を勉強されたんですか?
日本語と英語は、映画やドラマで勉強しました。日本語は実際のコミュニケーションを通じて、学んだ部分も大きいです。
ちなみに、英語に関しては、私はインド映画が好きなので、インド映画で学んだところもあります(笑)
旅行をはじめ、大学院のプログラムでスタンフォード大学に2週間留学した際にも、英語は役立ちました。
先ほど言ったように、タイ語は大学院の研究を通じて学びました。
韓国語は、日本語と中国語に近い部分があって、発音が可愛かったことや芸能活動に役立つと思ったことから学び始めました。
−−日本での生活はどうですか?
日本は他の国と比べて安全で、夜中に1人で歩いていても安心できるのは、とても良いところだと思います。
また、小学生の頃に来日した時と比べて、肌感覚ではありますが、街に外国人が増えたと感じます。
そういう意味では、外国人にとって、より住みやすい国になったのではないでしょうか。
日本は様々な面が整備されていて、何も気にせず、夢に向かって全力で努力できる環境だと思います。
−−日本で苦労したことはありますか?
大学院入学当初はゼミが大変でしたね。
大学時代はほとんどリモート授業で、ゼミもなかったので、発表の方法などがわからなかったんです。
発表の時は、一週間くらい前から緊張していました。
また、夢を追いかける中で、たくさんの偏見や差別があり、辛い思いをすることもあります。とはいえ、それを乗り越えて、思い切り生きていきたいと思っています。
たくさん嫌な思い出があるからこそ、幸せの色はもっと鮮やかだと思います。
全ての経験は、今の自分に繋がっていると思います。ユニークな経験を活かし、いつか笑えるように歩いていきたいです。
他人に勇気を与える人間になりたいです。
−−劉さんから見て、日本、中国、韓国、タイのエンターテイメントにはどういう特徴がありますか?
中国のエンターテイメントはとにかくスケールが大きいと思っています。
また、オーディションに関しては、中国と韓国は、日本に比べると面接の場での合否がわかりやすいかもしれません。私の経験上ですが。
日本のオーディションは合否が発表されるまで、合格したかどうか、本当にわからないです(笑)
審査員から「まさにあなたのような人を求めていました。来週こちらから連絡します」と言われても、連絡が来ないこともありますから。
タイのエンターテイメント業界の特徴は自由さだと思います。
1年間かけて1本のドラマを撮ったり、土日は絶対に仕事しないなど、ゆっくりとした雰囲気が特徴だと思います。
その中で、自分に一番合っているのは、日本のエンターテイメントだと思っています。
日本のエンターテイメント作品の繊細さには共鳴するものを感じています。
−−最後に劉さんの今後の目標について教えてください!
私にとってのエンターテイメントとは、自分の表現で他の人に影響を与えることです。
そのため、世界中の人に影響を与えられるような、世界を股にかけて活躍できるエンターテイナーになりたいと思っています。
主役でなくても、安定的に活躍し、観る人たちの心に残って、ずっと芸能界に居続けられるような存在感を持ちたいですね。
中国、日本、そして世界のさまざまな国々の架け橋のような芸能人になりたいです。
自分のためだけでなく、他人の役に立てる人になりたいとも思っています。
成功したら、ちゃんと親孝行をして、感謝を伝えたいですね。
そのために、日本を拠点に、努力を続けながら、地道に挑戦し続けたいと思っています。
・劉宇博さんのSNSアカウント
instagram:https://www.instagram.com/liu_yubo?igsh=bjlhMGp1enlhZnZp
X:https://x.com/mrsfc2024_02
TikTok:https://www.tiktok.com/@ryuuhaku0616
【HYAKUYOU編集部】
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