国民民主党中野区政策委員・大塚けいじゅ氏
「誰もが住みやすい中野へ」──ICT教育のプロが描く、多様性と支え合いの街づくり

2026.05.29
(大塚けいじゅ氏)



日々、中野区の街頭に立ち精力的に活動する大塚けいじゅ氏。

生まれも育ちも中野区であり、現在は国民民主党中野区政策委員として「誰もが住みやすい街」の実現に向けて奔走しています。

学生時代に携わった障がい者支援の経験から「声なき声を拾いたい」と語る大塚さんは、IT教育企業の役員としての知見を活かした「教育のDX化」による格差是正など、独自の視点で具体的な課題解決策を掲げています。

当メディアでは以前、「(一社)日本マルタ友好協会」の事務局長としての大塚さんにマルタと日本の交流についてお話を伺いましたが、今回は政治活動に取り組む立場として改めてインタビューを実施しました。

120カ国以上の外国籍の人々が暮らす中野区の魅力や、多様な人々がお互いに支え合う「共生」のあり方、そして彼が思い描く中野の未来について迫ります。




国民民主党の中野区政策委員として挑む日々の政治活動


--本日はよろしくお願いいたします。最近、大塚さんは街頭などで、精力的に活動されていますね。

大塚けいじゅ氏(以下、大塚):
そうですね。

日々、政治活動として、活動内容や政策を紹介する資料をお届けしたり、地域を回りながら、ポスター掲示にご協力いただける場所を探し、お願いをしています。

それと、駅前などで、区政や政策についてお話しする機会もいただいています。

私は比較的身長が大きく、街中だと結構目立つので、「面白いやつだな」と声をかけてくださる確率は高いですね。




人の温かさと多様性が同居する「中野」の魅力


--大塚さんは生まれも育ちも中野区とのことですが、中野区はどんな場所なのでしょうか?

大塚:
私が中野区で一番好きなところは「人の温かさ」です。

ありふれた話に聞こえるかもしれませんが、人が温かくて優しい。これに尽きます。

私は谷戸小学校出身で、子どもの頃は近くの公園や神社のお祭りが好きで、よく行っていました。

小学3年生のとき、夏祭りの長蛇の列に並んでかき氷を買おうとしたら、お金が足りなかったんです。

「しまった」と落ち込んでいたら、近所の町会の役員の人が「いいよ、お前食べたいんだろ。俺が代わりに払っとくよ」と半分くらい払ってくれて。

そういう優しさがあるんですよ。

中野は商店街がたくさんあって、西武線の鷺ノ宮の方から、南の方は丸ノ内線沿いの南台や方南町、そして中野駅北口など、個人経営のお店がひしめき合っていていますが、どのオーナーさんも優しいです。

大人になって居酒屋でお酒を飲むようになってから、いつもお世話になってます。



--アットホームでフランクな雰囲気ですね。安くて美味しい飲食店が多いのも中野の特色ですよね。

大塚:
ええ。そしてもう一つの魅力は、いろんな文化や人を受け入れる「懐の深さ」です。

一見さんにも冷たくせず、「おお、どっから来たんだ」と受け入れる下町っぽさがあります。

他にも、例えば、中野ブロードウェイ。あそこは秋葉原より前のサブカルチャー文化の聖地ですよね。
あんな風に、いろんな個性的な要素がひしめき合っても許容される風土があります。

LGBTQの方が東京の中でも比較的過ごしやすいと言われるのも中野区ですし、120カ国以上の外国籍の方や、障がい者の方もたくさん住んでいます。

多様な人々がすぐに打ち解けあえる街だと思います。



--120カ国以上の方が住まれているということは、中野区は海外の方の居住先として人気だと思いますが、その理由は何だと思いますか?

大塚:
街の雰囲気のほか、交通の便の良さも大きいと思います。

中央線沿いで新宿にも近いです。新宿には住めないけれど、大久保あたりから東中野の方へ、どんどん西側に流れてきて、中野の良さを知って定住する人が多いのだと思います。




原体験となったボランティアと「声なき声」


--今後、中野の政策を考えるお立場として、どういった形で中野区に貢献していきたいとお考えですか?

大塚:
私は、中野区を「誰もが住みやすい街」にしたいんです。

スローガンとしても掲げていまして、これが私が一番やりたいことです。
少し抽象的に聞こえるかもしれませんが。

私は現在「中野ダイバーシティフェスタ」の運営にも携わっていますし、大学時代から障がい者支援の活動をしてきました。

重度障がい者の訪問介護の資格も持っており、筋ジストロフィーを始めとする難病の方の訪問介護、重度の知的障がい者の方の夜中の寝返り介助、トイレ介助、食事介助などをしてきました。

また、学生団体を作って視覚障がい者の方向けの映画上映会をしたり、車椅子サッカーの全国大会を現地に応援しに行ったり、盲導犬ユーザーの方と友達になったり。
世の中にはいろんな背景を持った方がいて、もちろん中野にもたくさんいらっしゃいます。

そうした方の中には内気になって外に出られなかったり、人生を諦めてしまっていたりと、声を出しづらい方もいます。

そういった「声なき声」を拾いたいんです。

逆に、私自身が活動の中で励まされた経験もあります。

筋ジストロフィーの方は指一本動かすのも精一杯なんですが、パソコンを使って文字盤を縦横に動かし、「大塚くん、最近どう? 元気?」と連絡をくれるんです。

私が失恋したときにも励ましてもらいました。

お互いに助け合える社会、街を作りたいというのが私の大きなビジョンです。




ICT教育のプロとして「教育のDX化」で格差をなくす


--そのビジョンを実現するための、具体的な課題解決策はありますか?

大塚:
具体的なものの一つは教育格差の是正です。

私はコロナ禍の前から学習支援の無料塾を開講していて、引きこもりの子や学校・塾に行けない子どもたちのために、英語・数学・理科・社会の映像授業を撮って、無料でオンライン配信する活動をしてきました。



--大塚さんがIT教育企業の役員をされているからこそできる支援ですね。

大塚:
そうです。

所得や家庭環境の差による教育機会の不平等を是正するための取り組みは、自治体レベルでも行うことができるはずです。

今、東京都が「VLP(バーチャルラーニングプラットフォーム)」という、メタバース空間で会話や勉強ができる実証実験を行っています。

私は中野区の職員の方と一緒に見学させていただきましたが、区としてはまだそのポテンシャルに気づききれていないと思います。

私はeラーニングやICT教育のスペシャリストとして、これを不登校や引きこもりの子だけでなく、もっと勉強したい子や授業に追いつけない子にも広げ、教育の選択肢を広げていきたいと思っています。



--ご経験が政策提案にも結びついているのですね。

大塚:
私の所属する国民民主党も「人づくりこそ国づくり」として、教育改革を3本柱の1つに掲げています。

日本の公教育のプログラムは素晴らしいですが、それを補完する意味でもICTやDXは取り入れるべきだと考えます。

うちの会社で某大学の公認会計士プログラムを請け負った際、毎週の生授業をすべて映像授業(eラーニング)に置き換えました。

すると先生は「ティーチング(教えること)」から解放され、一人ひとりのモチベーション管理や、苦手分野の細かい分析、心のケア等を行う「コーチング」にシフトできるようになったんです。

結果的に、合格率も上がるなど、確実に成果が出ています。



--それを中野区でも取り入れていきたいと。

大塚:
はい。学生向けの受験用科目だけでなく、これからはAIやプログラミング教育、座学の単語・文法だけでなくネイティブと話す英会話など、分野も幅を広げていけると考えています。




大人の学び直しと国際交流で街に付加価値を


--最近は大人の学び直しも注目されていますよね。

大塚:
eラーニングは社会人の研修でも使われています。

実際、私の会社でも全国100カ所以上の商工会議所に配信し、簿記などの学習を提供しています。

大人の学び直し、リスキリングやリカレント教育は重要です。

国民民主党は「働く世代の手取りを増やす、給与を増やす社会」を掲げています。

区としても社会人がスキルアップでき、かつ安心して子育てもできるような付加価値をつくっていくべきです。



--家族で中野に住むメリットが生まれますね。先ほど多様性の話が出ましたが、外国籍の方との関わりについてはいかがでしょう?

大塚:
最近、千葉県流山市の井崎市長が本を出版されまして、その本の中でも触れられていましたが、流山市は自治体として英語教育や語学教育に力を入れ、世界に通じるリーダーシップを持った子どもを育てようとしています。

中野でもこれを積極的に取り入れたいです。

また、120カ国以上の外国籍の方がいる中野区独自の政策として、信頼できる外国人コミュニティとタイアップした上で、国別・地域別のイベントをどんどん開催していけると面白いと考えています。

先月も国際交流協会のフェスがあり、私が日本マルタ友好協会の事務局長を務めている縁で、駐日マルタ大使をお呼びしました。



--定期的に各国のフェスティバルが開催されたら面白いですね。

大塚:
そうですよね。

日本人が、自分の国に誇りを持って安心して暮らしていける環境づくりは当たり前の大前提として取り組まなければなりません。

それにプラスして、多様な国籍の信頼できるコミュニティと触れ合い、語学や文化に触れ、グローバルな環境でリーダーシップを発揮できる子どもたちを育てることも価値があるのではないでしょうか。




政治を身近に。若者へのメッセージと今後の目標


--大塚さんが国民民主党の中野区政策委員になるにあたり、そもそも政治に関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

大塚:
一番のきっかけは、大学時代に難病の方の訪問介護をしていた時です。

兄弟で障がいのある方が、助成金の取得に制限があったりといった制度上の困りごとを、地元の地方議員さんが訪ねてきて、訴えを聞き、制度を変えようと動いてくれたのを見て「政治って大事だな」と身近に感じました。

また、偶然ですが、大学の先輩が超党派の国会議員や各国大使、経営者を集めたイベントを毎年開いていて、大学1年生の頃からお手伝いしていたので、政治家の方々を身近に感じる環境もありました。



--若者の政治への関心についてはどう感じていますか?

大塚:
北欧の主権者教育や、海外に見られる政治家と有権者が日常的に対話する文化と比べると、日本は若者の政治に対する関心が薄いように感じます。

だからこそ、私自身がまず表に出てみないと、突き当たる壁も経験値もシェアできません。

私と同年代や、中野に住む若い優秀な方々が「こんな人もいるんだ」と刺激を受け、どんどん政治に関心を持って参加してほしいです。

選択肢が増えることは区民のためになると思います。

自分が活動しているのは、そのように政治を身近なものとして広める意図もあります。



--ぜひ今後の目標も教えてください!

大塚:
実際に表に出て政治活動をしてみると、想像よりも大変だという気づきがあって、その経験も伝えていきたいですね。

具体的な目標としては、地方議会の透明化です。

日本全国の自治体に言えることですが、議会でどんなことが問題になっているのかが分かりにくいと思います。

私は仕事で映像授業の編集も自分でやっているので、都議会や地方議員レベルの情報をYouTubeなどで分かりやすく区民に解説・発信していきたいです。



--街づくりに関してはいかがですか?

大塚:
定期的に野方駅の駅頭に立っていますが、現在、西武線の新井薬師から野方駅まで地下化・立体交差化工事が行われています。

開かずの踏切が何分も開かないという地域住民の方の声もよく聞きます。

東京都や西武さんと連携して少しでも早められないか探りつつ、工事が完了した際、野方、都立家政、鷺ノ宮、新井薬師といった街並みをどう作っていくか。

今のうちから町会や商店街だけでなく、より広く区民の皆さんの意見をヒアリングして、一緒に街づくりをしていかなければと思っています。




大塚氏にとっての「共生」とは

--当メディアのテーマでもあるのですが、大塚さんにとっての「共生」とはどのようなものでしょうか?

大塚:
単に「違いを認め合う」だけでなく、それぞれの立場や背景を理解しながら、お互いに支え合い、共に暮らしていくことです。

私は大学のゼミで異文化コミュニケーション論を専攻し、国籍ごとの文化的価値観の違いを体系的に学んできました。

中野区のように多様な人が暮らす地域では、日常の中で自然に関わりが生まれることが共生の第一歩です。



--将来的に、多文化共生社会が実現するとすれば、何が必要だと考えますか?

大塚:
「制度」と「日常」の両面からの取り組みが必要です。

制度面では、言語の壁をなくすための多言語対応や生活相談の充実、そして学校教育や地域活動の中での異文化理解を深める取り組みです。

日常の面では、商店街や地域イベントなど、自然に人と人がつながる場を増やすこと。日々の生活の中で関係性が生まれることで、共生は「特別なもの」ではなく「当たり前のもの」になっていくと考えています。

これからも理論と現場の視点を活かしながら、中野における多文化共生を進めていきたいと思います。




国民民主党中野区政策委員・大塚けいじゅ氏
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【HYAKUYOU編集部】

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