
新自由主義の限界を見据え、「協同」と「共生」の理念で次代を切り拓く
7月29日、東京都中央区の「オフィス東京」にて、前衆議院議員の小山展弘氏が主宰する「遠州政友会 小山展弘と語る会-協同・共生研究会-」が開催された。
本研究会は、小山氏が2013年から13年間にわたり継続し、これまでに約70回開催されてきた歴史ある勉強会だ。
近年台頭する新自由主義的な弱肉強食の価値観や市場原理主義が格差を拡大させ、ポピュリズムの温床となっている現状に警鐘を鳴らし、「協同」や「共生」の考え方に基づいた社会や法制度の発展を目指すことを基本理念としている。
活動の要となるのは、毎回多様な分野の有識者をゲスト講師に招いて行われる講演会だ。
これまでに社会動向や農業問題、さらには海外の元大使を招いた国際情勢など、世間の関心が高い、幅広いテーマを取り上げてきた。
大手メディアの報道だけでは見えてこない「異論」や現場の生の声に触れることで、多角的な視点を養う場となっている。
今年から毎月開催へと頻度を増やして活動を活発化させており、7月29日はその一環として、緊迫する東アジア情勢を鑑み、「日中関係」をテーマとした研究会が実施された。
7月度講演──大航海時代以来の転換期。張剣波氏が語る「対抗期」の現実と「新型日中友好」への道筋
7月度の研究会では、早稲田大学講師で政治学博士(国際政治学)、「(一社)日中ボランティア協会」の代表などを務める張剣波氏が登壇した。
「現在の日中関係の危機と友好回復の可能性」と題された本セッションは、高市政権におけるいわゆる「台湾有事発言」などを機に日中間の緊張が一層高まる中、「絶対に戦争を避けなければならない」という平和への意志を再確認すべく企画されたものだ。
中国・湖南省出身の張氏は、1987年の来日以降、秋田県での心温まる交流などを通じて実感してきた「友好的な雰囲気」を振り返りつつ、戦後の日中関係史を紐解いた。
張氏は両国関係を「隔絶期」「友好期」「互恵期」、そして2025年以降の「対抗期」という4つのフェーズに分類。
現在は、相互依存が深まった一方で領土問題が顕在化し、相互敵対感情が高まる「対抗期」に突入しており、日本で暮らす約100万人の在日中国人が両国社会の板挟みとなっている状態にあると指摘した。
その上で張氏は、現代が欧州からアジアへ重心が移る「大航海時代以来の文明史的転換期」にあると説明。
かつての友好期に先人たちが発揮した「大同を求め小異を残す」「棚上げの知恵」に学び、互いの価値観を尊重し合う「新型日中友好」の構築こそが、両国の未来を切り開く鍵であると力強く訴えかけた。
【小山展弘氏・特別インタビュー】
メディアが報じない「異論」に耳を傾け、米国一辺倒からの脱却と真の独立を問う
研究会の開催について、発起人である小山展弘氏に話を聞いた。
--本研究会を開催する目的や、テーマ選定の背景についてお聞かせください!
小山展弘氏(以下、小山):
現在、SNSや一部のメディアではセンセーショナルな話題が先行し、一面的な情報による印象操作が行われやすい状況にあります。
そうした中で、現場の第一線で活躍する専門家や実務経験者をお招きし、メディアがあえて報じない「異論」や多様な視点に触れる場を作ることが非常に重要だと考えています。
また「協同・共生」を掲げている理由として、新自由主義的で弱肉強食の市場原理主義が格差を広げ、人々の不満を煽ることで、極端な政治リーダーを生む温床になりかねないという強い危機感があります。
だからこそ、本会を通じて協同組合をはじめとする共生の仕組みの大切さを再確認したいと考えています。
--研究会では、外交や国際政治というテーマも多く取り上げられていますね。
小山:
私自身、大学院まで国際政治を専攻していたこともあり、偏った外交観にとらわれない視点を大切にしています。
たとえば台湾問題にしても、過去の日台・日中関係の歴史的経緯や、冷戦下における日本政府の緊張緩和に向けた苦心を知らない日本人が増えています。
当然、隣国同士で摩擦が起きることはありますが、今のネガティブな感情の煽られ方は不自然です。
米国一辺倒の外交姿勢や、外部からの意図的な分断工作の存在も否定できません。
米国に従属するのではなく、日本自身の国益に立った多角的な外交路線を模索する必要があります。
過去にはイラン政府関係者をお招きした会を開催したこともありましたが、参加者からは「普段の報道とは違う生の声が聞けて、非常に勉強になった」と大きな反響がありました。
--今後の展望をお聞かせください!
小山:
この研究会は2013年から始まり、これまでに約70回開催してきました。
今年からは毎月開催し、さらに活発な議論の場にしていく予定です。
政治活動資金を集める場としての側面もありますが、選挙の利害や同調圧力にとらわれず、本質的な政策や真実を学びたいと願う方々が匿名性を保ちながら支援・参加できる場として、今後も魅力的な講師をお招きして継続していきたいと思います。
・小山展弘氏
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(取材・文/劉聡/在日中国人ライター。日本外国特派員協会(FCCJ)会員)