【Deep China】日本市場を動かす在日中国人ネットワーク──展示会が描く共創の未来

2025.10.16



(取材・文/劉聰/在日中国人ライター)


10月9日、東京都墨田区のすみだ産業会館8階大ホールにて、「第15回在日外国人国際ビジネス交流展示会」および「第10回在日中小企業サービス展示会」が盛大に開催された。

本展示会は、製品展示、トレンド発信、商談、体験を融合した総合的なプラットフォームとして成功を収め、日本と中国の企業が持つ革新力と無限の可能性を余すところなく発信した。



多様な企業が出展、専門バイヤーだけでなく一般来場者の姿も―ビジネスと文化が融合した熱気の空間

主催は、長城協力有限公司、日中商報、一般社団法人日中人材・ビジネス交流協会、華益商事株式会社、NPO全日本中華料理・ホテル支援協会の5団体。

前年より拡大した展示面積には、日本と中国を中心に有名企業がブースを展開。食品、医薬、宝飾、美容、工芸品、精密機械、金融サービス、観光、不動産、法律相談、留学支援など、幅広い分野の出展が並んだ。

老舗ブランドから新興企業まで、国内外の多様な顔ぶれが一堂に会した会場は、終日熱気に包まれた。専門バイヤーだけでなく一般来場者の姿も多く、「高品質な生活消費」への高い関心をうかがわせた。

開幕式では、一般社団法人日中人材・ビジネス交流協会代表理事であり、日中商報社長の程顕斉氏が、「この展示会を通じて日中企業の架け橋を築きたい」と力強く挨拶。
多くの来賓・関係者が見守る中、華やかに幕を開けた。

(程顕斉氏)



技術・健康・デザインが交わる新時代のトレンド

展示会場には、未来の生活を彩る多彩な商品・サービスが並んだ。
中でも注目を集めたのは、ネットスターロボットソリューションズ株式会社が発表したロボット「TIMO」。
音声認識やスマートフォン連携を駆使した「全方位型スマートソリューション」は、来場者を魅了した。
同社技術部の松本浩氏は「テクノロジーが人々の暮らしを変えるのは、もはやSFではなく現実です」と語る。

一方、健康食品ゾーンでは「天然・栄養・機能性」がキーワード。
手軽に栄養を補える「ライト養生」食品や、植物由来のプラントベース製品が来場者の関心を集めた。
株式会社雅嘉貿易、株式会社アジアンエクスプレス、株式会社バイオ製薬、雲南省東京商務代表処などのブースでは、健康志向と地域特産の融合が新たな市場の可能性を示した。

また、法律・行政・税務・教育・不動産などの無料相談コーナーも大盛況。
「在日華人のための実用的支援」を掲げる主催者の理念が、来場者の高い満足度へとつながった。


来場者の声:ビジネスの現場で得た学びと発見

Aさん(来場者・食品関連事業)

「思った以上に、中国の食材を日本で販売している方が多いと感じました。今回は良い製品を探すというより、皆さんがどのように販売戦略を立てているのかを学ぶ目的で来場しました。」

Aさんは、中国語が堪能で、食品・飲食関連の中国企業を日本でアテンドする仕事に携わっている。

「OEM工場やレストラン本部を案内する中で、中国のレシピを日本で製造したいという要望をよく受けます。今日の展示会は、そうした事業展開の可能性を探る上で非常に参考になりました」と語った。

さらに、近年の中国食品に対する日本人の認識については、「安全性への懸念はまだあるものの、コストや品質面で合理的に判断する人も増えている」と冷静に分析した。

Bさん(来場者・貿易関連)

「華人系の企業だけでなく、日本の企業が華人市場向けに製品を出展している点が魅力的でした。このイベントは多様な業種を網羅しており、まさに『多文化交流プラットフォーム』だと感じました。」

Bさんは、出展者・来場者の双方にとって、異業種間の刺激と情報交換の場になっていると評価。

「国籍や業界を超えて協力関係を築く場として、非常に価値がある」と語った。


主催者インタビュー:
「展示会は『仲人』のような存在」
程 顕斉 氏
(一般社団法人日中人材・ビジネス交流協会 代表理事/日中商報社長)



−−今回の第15回在日外国人国際ビジネス交流展示会と第10回在日中小企業サービス展示会を終えてのご感想をお聞かせください。

程氏:
この展示会は、数少ない「在日中国人の会社が主催する」展示会です。
そして来場者の約99%が在日中国人ビジネスマンという点が特徴です。
日本の一般的な展示会とは性質が異なり、非常にユニークな存在だと思います。

また、販売形式が伝統的な貿易だけでなく、Eコマース、個人輸入代行、インフルエンサー販売など、いわば「陸・海・空」の立体的な流通構造を包含していることも特徴です。
どのチャンネルでもビジネスが成立する仕組みを提供しています。



−−在日中国人の方々が中心となり、より実践的で柔軟なビジネスの形を模索しているということですね。

程氏:
その通りです。
特に強調したいのは、「中国企業」と「日本企業」の間に存在する「理解のギャップ」です。
中国企業が直接日本企業と取引しようとすると、文化や商習慣の違いから、なかなかビジネスが成立しません。
しかし、在日中国人ビジネスマンは、中国も日本も理解しています。だからこそ、両国の橋渡し役として現実的な提案ができるのです。



−−非常に興味深い視点ですね。では、この展示会の目的は「商品を売ること」ではなく、もう少し本質的なところにあるのでしょうか?

程氏:
はい。私たちの目的は「商品を売る」ことではなく、ビジネスチャンスと情報を提供することです。
展示会は企業の「出会いの場」であり、私たちはそこに介入しません。
企業同士が自由に相手を見つけ、信頼を築き、契約を結ぶ——私たちはそのきっかけをつくるだけです。



−−まるで「出会いの場」を演出する仲人のようですね。

程氏:
まさにその通りです。
まず出会って、お互いを知って、相性を確かめる。その上で自然にビジネスが生まれるのが理想です。



−−最後に、今後の展望をお聞かせください。

程氏:
今後はより専門的で深い交流を目指し、地方の中小企業にも光を当てていきたいです。
地方には素晴らしい製品や老舗企業がたくさんありますが、販路がないため知られていません。
そうした企業と在日中国人ビジネスマンをつなぎ、「互いを知るきっかけ」をつくる。
それこそが私たちの役割であり、今後もその橋渡しを続けていきたいと思っています。



本展示会は、単なる商談の場を超え、国籍や文化を越えた「共創」の原点を示した。

人と企業を結ぶ「仲人」としての役割を果たしながら、次代のビジネス交流を切り拓く——。
来年もまた、新たな出会いと可能性が、この会場で芽吹くだろう。

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