日本天津総商会10周年・在日天津同郷会30周年記念式典が開催
日中の各界重鎮が集い盛大に祝う

2025.11.27



11月11日、東京の名門・ホテル椿山荘において、日本天津総商会設立10周年ならびに在日天津同郷会設立30周年の記念式典が、盛大に開催された。
会場には日中両国の各界を代表する人々が集い、歴史的な節目を祝った。

30年にわたり在日同郷人の心の拠り所であり続けた同郷会と、10年にわたり日中経済交流の架け橋として目覚ましい発展を遂げた総商会。二つの団体の輝かしい歩みを称え、未来へのさらなる飛躍を誓うべく、政財界、学界、そして僑界のリーダーら約数百名が一堂に会した。

式典は、両団体の歩みを凝縮した記念映像の上映で幕を開けた。
司会を務める在日天津同郷会の韓鴻哲執行会長と斉玥氏が登壇し、「10年の風雨を乗り越え、30年の輝かしい歳月を重ねてまいりました。今宵、故郷への熱い思いを胸に、時空を超えた再会の幕開けをお祝いください」と高らかに開会を宣言した。



日中の要人、友好と未来を語る

主催者を代表し、日本天津総商会の孟慶祥会長が挨拶に立った。
「この10年間、『団結互助、共存共栄』の理念のもと、天津と日本の経済貿易、科学技術、文化協力の推進に尽力してきた。投資視察や商談会を幾度も開催し、近年は天津の大学や浜海新区との協力を深化させ、人材育成と企業の国際化を促進している」とこれまでの成果を報告。
その上で、「この成果は会員一人ひとりの情熱、理事たちの献身、そして各界の友人の皆様のご支援の賜物だ」と深い感謝を述べ、「初心を忘れず、さらに結束力があり、尊敬される団体を目指す。この式典を新たな出発点とし、共に輝かしい未来を切り拓こう」と力強く呼びかけた。

(孟慶祥会長)


続いて、鳩山由紀夫元内閣総理大臣がビデオメッセージで祝辞を寄せた。
「日本と中国は一衣帯水の関係。両国の協力の進化は、東アジアの平和と発展に不可欠だ」と述べ、両会が相互尊重の友愛精神に基づき、日中経済交流に更なる貢献をすることへの期待を表明した。

会場には、日中友好議員連盟幹事長を務める近藤昭一衆議院議員も駆けつけた。
近藤氏は、「日中友好議員連盟は280名以上の議員が参加する国会最大の議員連盟であり、日中友好の重要な架け橋だ」とその意義を強調。そして、流暢な中国語でスピーチを始め、会場を驚かせた。

1981年から北京に留学した経験に触れ、「初めて訪れた地方都市が天津だった。目的は名物の『狗不理包子』を食べること。環境副大臣在任中にも環境保護政策の視察で天津を訪れ、深い感銘を受けた」と個人的な縁を披露。「言葉が拙くとも、中国と友人たちへの深い感情を伝えたい」と語る真摯な姿に、会場からは万雷の拍手が送られた。

(近藤昭一衆議院議員)


全日本華僑華人社団連合会の賀乃和理事長は、「在日天津同郷会は我々より歴史が長く、学ぶべき点が多い。両会はその発展過程で在日僑団の模範となってきた」と称賛。
さらに、「僑界は一つの家族。連携すれば力が集まり、共に発展できる。今回の式典当日に行われた『僑心書院日本ステーション』の除幕や、天津市僑聯と日本天津総商会の戦略的協力調印は、僑界連携の豊かな成果そのものだ」と述べ、国内外の僑界が一層連携を深めていくことの重要性を訴えた。

(賀乃和理事長)


故郷を代表して登壇した天津市僑聯の王宝鋼副主席は、「皆様は遠く日本にいても、常に故郷を心にかけ、天津の発展に多大なる貢献をされてきた。その熱い思いは故郷の人々の心に刻まれている」と感謝を伝えた。
また、2025年に上海協力機構(SCO)首脳会議が天津で開催されたことに触れ、「習近平総書記も天津の開放性と包容力を称賛された。天津の発展の潜在力は極めて大きい。皆様には頻繁に帰郷し、その変化を肌で感じ、天津の発展のために架け橋となってほしい」と、故郷からの熱いメッセージを送った。

(王宝鋼副主席)



未来への連携を誓う調印式と感謝の表彰

この日は、祝賀だけでなく、未来に向けた具体的な一歩が記録された日でもあった。
式典に先立ち、天津市僑聯・市僑商会と日本天津総商会は協力調印式を実施。
「海僑」特色人材イノベーション創業パークおよび「僑尚品」プラットフォームとの間で戦略的協力の意向書に合意した。これにより、在日会員が故郷の資源を活用し、起業や事業発展を目指すための強固な基盤が築かれた。

式典の中盤では、長年にわたり両会の発展を陰で支えてきた功労者を表彰する式典が行われた。

韓鴻哲氏ら8名に「特別貢献賞」が、曲波氏ら7名に「功労賞」が孟慶祥、欒殿武両会長から授与され、その献身的な努力に改めて感謝と敬意が表された。

特別貢献賞:韓鴻哲、李文韜、李娟、邱月、侯瑞、張鑫、尚暁輝、葉剛
功労賞:曲波、李強、王淏昱、小林麗、李育津、慕鵬、邱焱



華やかな祝宴、文化交流に花咲く

祝宴は、全日本華僑華人社団連合会の張書明会長による「両会の素晴らしい発展と、ご列席の皆様の健康を祈念して、乾杯!」という高らかな音頭で始まった。


祝宴に華を添えたのは、天津の特色と日中文化が融合した多彩な文芸公演。
本場のユーモアで会場を沸かせた漫才(相声)「説唱天津」、僑胞たちの望郷の念をかき立てた歌手・孟繁傑氏による「天津、我が愛する故郷」、そして中華文化の静けさと力強さを示した24式養生太極拳の演武など、次々と繰り広げられる圧巻のパフォーマンスに、観客は惜しみない拍手を送った。

宴の終わりには、故・在日天津同郷会会長である李振渓氏の夫人、李軍氏が登壇。
「両会の30年の成果は、情熱と志を持つ全ての同郷の仲間とリーダーたちの努力の結晶です。孟会長が若い世代を率いて積極的に参加しているのを見て、華僑事業に後継者がいることを嬉しく思います」と感動的に語り、初心を忘れず日中友好のために努力し続けることの重要性を次世代に託した。

なお、今回のイベントには天津と関連する企業などもスポンサーとして多数参加した。

【ダイヤモンド賛助】
・日信国際(株)
・進和(株)
【プラチナ賛助】
・sendo(株)
・(株)フューチャーリーディング
【ゴールド賛助】
・日本華人GOLF協会
・日々向上国際(株)
・SBL(株)
・日宝通商(株)
・一川恒興合同会社
・上野寶藏
【特別賛助】
・中国国際航空公司
【協賛】
・川井製薬(株)
・未来生物醒狮国际
・源清田商事株式会社
・株式会社SNSソフト
・青岛啤酒
・澳門航空

今回の取材では、日本天津総商会会長及び在日天津同郷会、参加者らへのインタビューも実施。
式典を終えての感想や今後の展望、協会に期待すること等について伺った。


−−−

日本天津総商会・孟慶祥会長インタビュー

−−今回の素晴らしいイベントを日本で開催されて、どのように感じられましたか?

孟慶祥会長:10周年という記念すべき大切な節目に国内外から多くの政経界来賓が臨席される中、華やかに開催できたことに大変感銘しております。総商会創立以来、最大なイベントであり総商会の発展と繁栄に貢献された諸先輩方や理事と会員に感謝したく思います。また次の10周年に向けて会員一同は団結し一層な精進を図ります。


−−これまでの歴史の中で、 「日本天津総商会」の内部や団体を取り巻く環境に、どのような変化があったと感じますか?

孟慶祥会長:総商会は同郷会より新しい会ですが、両会の理事と会員は常に一緒に歩み、役員、理事の兼任など力を合わせて両会の発展を遂げてきました。特に近年、若い会員や理事も大幅に増え、歴史を回顧しながら時代に合った総会運営に取り込んでいます。熱心な理事が多く参加するイベントやビジネスサロンなどにも革新的な運営に変わりつつあります。今後も天津両会として活躍していきたいです。


−−今日の式典で特に伝えたいメッセージはありますか?

孟慶祥会長:まず式典の準備に関わったすべてのスタッフに感謝します。数か月の準備と多くの協賛会社と個人に支えられ盛大に開催することができました。ありがとうございました。


−−最後に、今後の目標についてお聞かせください。

孟慶祥会長:在日華僑華人の一団体として各界により多く貢献できる組織作りを努めます。次の10年、会員の大幅増大、会員活動の活発的な企画、特に天津市との交流を強化していきたい。「商」を軸に、日本と中国の経済交流に大きく貢献できる会に作り上げたいです。



在日天津同郷会・欒殿武会長インタビュー

−−この度の記念すべきイベントを日本で開催され、どのように感じられましたか?

欒殿武会長:今回、在日天津同郷会創立30周年、そして日本天津総商会創立10周年という二つの節目を、東京椿山荘で多くの仲間と共に祝うことができ、大変感慨深く感じております。
日本で開催することで、在日天津人コミュニティ及び二つの団体の理事たちの結束と活力を改めて実感できましたし、全華聯を始め、地域社会の皆さまとの温かい交流も深まりました。日本という多文化共生の環境の中で、故郷とのつながりを大切にしながら新しい未来を築いていく——その姿を多くの方に見ていただけたことをとても嬉しく思っています。
今回の成功は、支えてくださった全ての皆さまのおかげです。これからも、在日天津人の和やかな「家」を築き、日中の架け橋として貢献していきたいと考えております。


−−これまでの歴史の中で、 「日本天津総商会」、「在日天津同郷会」の内部や周辺を取り巻く環境に、どのような変化があったと感じますか?

欒殿武会長:この30年、そして10年の歩みを振り返りますと、「在日天津同郷会」と「日本天津総商会」を取り巻く環境は大きく変化してきたと感じています。
まず内部の面では、メンバー構成が多様化しました。かつては日本に長く定住する先輩方が中心でしたが、近年は留学生、研究者、若いIT専門職、貿易や不動産などの起業家など、背景の異なる方々が加わり、活動の幅が一段と広がりました。世代間の交流が活性化し、組織としての活力や可能性が大きく高まったと思います。
また外部環境については、日中関係や在日華人社会の変化に伴い、私たちに求められる役割も進化しています。かつては互助的な側面が強かったのに対し、現在は文化交流や地域社会との連携、さらにはビジネス・学術面での橋渡しなど、社会に開かれた団体としての期待が高まっています。
在日天津同郷会も日本天津総商会も、時代の変化に合わせて柔軟に形を変えながら、天津という共通のルーツを持つ人々をつなぐ「心のよりどころ」であり続けてきました。そして今回の節目の年に、多様な仲間が一堂に会し、その成長と連携を確認できたことは、大きな意味を持っていると感じています。
今後も、よりオープンで活力ある団体として、メンバー一人ひとりの力を結集し、在日天津人の発展と日中交流に貢献してまいりたいと思います。


−−今日の式典で特に伝えたいメッセージはありますか?

欒殿武会長:今回の式典を通じて最もお伝えしたかったのは、「つながりの力」と「未来への連帯」です。在日天津同郷会30年、日本天津総主商会10年という節目は、単なる歴史の区切りではありません。ここまで活動を支えてくださった皆さま一人ひとりの努力と信頼が積み重なって生まれた“共同の成果”です。そして、その力があったからこそ、私たちは日本という地でコミュニティを広げ、社会に貢献し続けることができました。
もう一つのメッセージは、「次の時代をつくるのは新しい世代だ」ということです。今回、多くの若い在日天津人が積極的に関わってくれました。彼らの姿は、私たちの団体が“受け継がれ、進化していく存在”であることを示してくれています。世代がつながり、多様な力が共に歩むことで、天津人コミュニティはさらに豊かな未来を築いていけると確信しています。
この式典が、互いを支え合いながら前へ進むための新しい出発点となることを心から願っています。


−−最後に、今後の目標についてお聞かせください。

欒殿武会長:今後の目標としては、第一に、在日天津人コミュニティのより強い連帯と安心できる“場”づくりを進めていきたいと考えています。世代も職業も多様な仲間が増えているからこそ、互いに支え合い、気軽に集い交流できるプラットフォームをさらに充実させていきます。
第二に、日中の架け橋としての役割を一層強めることです。経済、文化、教育など、さまざまな分野で交流が必要とされています。日本天津総商会・在日天津同郷会として、信頼性のある窓口となり、地域社会とも連携しながら新しい協力の可能性を広げていきたいと考えています。
そして第三に、若い世代の育成と参加の拡大です。次の30年・10年をつくる主役は若いメンバーです。彼らが活躍しやすい環境を整え、世代を超えて知恵と力が循環する団体にしていくことが、私たち現在の理事会の重要な使命だと考えています。
今回の節目を新たなスタートとし、コミュニティの発展と社会への貢献の双方を実現する団体づくりを、これからも着実に進めてまいります。



参加者へのインタビュー

−−今回の記念式典に参加していかがでしたか?

参加者: 式典はとても素晴らしかったです。参加を通じて、日本にいる天津出身者同士の交流が深まり、大変有意義な時間でした。また、この機会に他の参加者とビジネス情報を交換することもでき、今後の商業的な連携の可能性を強く感じています。
特に、相声(中国の漫才)のパフォーマンスが印象的で、天津の伝統芸能の魅力を再認識しました。


−−今後、協会に対して、どのような連携や発展を期待されていますか?

参加者:このようなイベントを通して、天津の曲芸や文化をより多くの人に知ってもらい、広めていくことを期待しています。
同時に、同郷の仲間とのビジネス面での協力関係を築き、日本と中国の架け橋となるような活動に発展することを願っています。

−−−

今回の記念式典は、単なる祝賀の場にとどまらず、過去30年と10年の歩みを総括し、未来への揺るぎない連帯を誓う重要な契機となった。
同郷の情を基盤に、経済と文化の両輪で日中関係の深化に貢献してきた両団体は、この日を新たな出発点とし、これからも、さらなる大きな役割を果たしていくに違いない。






(取材・文/劉聰/在日中国人ライター)

一覧に戻る