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「旅の力が日中関係を変える」──動画クリエイター・「一騎探検中」⁠こと宮﨑一騎さんが、母校・早稲田大学で語る平和構築への挑戦

(「一騎探検中」こと宮﨑一騎さん)

10月27日、早稲田大学学生会館において、「早稲田から北京へ、中国留学から中国旅行へ~クリエイターとして目指す平和構築~」と題した座談会イベントが開催された。

登壇したのは、同大社会科学部を卒業後、北京大学燕京学堂(Yenching Academy of Peking University。通称YCA)へ進学し、現在は中国旅の魅力を発信する動画クリエイター「一騎探検中」(かずきたんけんちゅう)として活動する宮﨑一騎さん。

母校への凱旋を果たし、集まった後輩たちへ熱いメッセージを送った。

イベントは前半の「留学」と、後半の「中国旅のリアルと魅力」の二部構成で進行した。

「普通」の基準が覆った北京大学での学び

前半のテーマは「留学」。

バックパッカーとして世界を巡り、国際関係と平和学を学んだ早大時代から、今後の世界における中国の重要性を見据えて北京大学へ渡るまでの軌跡が語られた。

一騎さんが進学した北京大学燕京学堂は、学費から生活費までが全額支給される修士フェローシップ・プログラム。

そこには世界約40カ国から中国に関心を持つ優秀な学生が集結していた。

同氏は「とんでもなく優秀な同級生たちに囲まれ、自分の中の『普通』という基準が大きく引き上げられた」と回顧する。

起業やメディア出演を当たり前のようにこなす仲間との議論を通じ、自身の視座が高まり、新たな世界へ挑戦する原動力になったと当時の充実ぶりを振り返った。

旅の力が日中関係を変える──クリエイターとしての挑戦

後半はクリエイター活動の根底にある「平和構築」への思いに焦点が当てられた。

一騎さんはヨハン・ガルトゥングの平和論を引き合いに出し、現在の日中関係をリスクを内包する「不安定な平和(消極的平和)」であると指摘。

これを「持続可能な平和(積極的平和)」へと昇華させるには、草の根の民間交流を通じた相互理解から始めることが重要と力を込める。

自身の修士論文でも「現地を訪れ、人と交流する実体験が、相手国への認識を好転させる」とのデータが得られたという。

そこで一騎さんは、中国を訪れる日本人を一人でも増やすべく、旅行系YouTuberとしての発信を本格化させた。

2019年に開始した中国全土を巡る200日間の旅は、中盤で発生したコロナ禍により広州で中断を余儀なくされたものの、今月末での独立を機に再開を決意。

来月からは広州を皮切りに再び中国全土へ赴く予定だ。

座談会では、中国旅行を志す若者を支援するため、私財を投じた「旅奨学金」の創設構想も発表され、会場からは驚嘆の声が上がった。

特別インタビュー:宮﨑一騎さんに聞く「交流の現状」と「多文化共生」

イベント終了後、一騎さんに今回の手応えや今後の日中関係を含む、共生社会のあり方について話を聞いた。

--母校でのイベントを終えられて、率直なご感想をお聞かせください!

宮﨑一騎さん(以下、一騎):
次世代の日本や日中関係を担う学生の皆さんに自身の経験を共有し、意見を交わせたことは非常に貴重な機会でした。

全く注目されていなかった活動初期からのファンの方も駆けつけてくれ、大きな喜びを感じています。

一方で、危機感を覚える点もありました。

--どのような点に危機感を抱かれたのでしょうか?

一騎:
参加者は日本の中でも特に中国への関心が高い層ですが、中国留学経験者が1人もいなかったのです。

また、中国関係のゼミに所属する学生の多くが、中国人学生と全く面識がないと話していました。

早稲田大学は日本有数の中国と縁の深い大学であり、多くの留学生がいるにも関わらず、こうした状況にあるのは日中間のつながりの弱さを示しており、心配になりました。

国家間には政治や経済など様々な結びつきがありますが、根底にあるのは人と人の関係に他なりません。

厳しい時代だからこそ、少しずつでも双方の相互交流・相互理解が不可欠であり、私自身もその一翼を担うべく尽力しようと決意を新たにしました。

--国境を越えた関わりが日常となる現代において、「多文化共生」の意義をどう捉えていますか。

一騎:
オンライン・オフラインを問わず国境を超えたつながりが進む世の中において、「多文化共生」の重要性は増すばかりです。

私が海外を飛び回る中で痛感したのは、「普通」など存在しないということでした。

「普通」とは普遍的なものではなく、自身がどのような人々や環境に囲まれているかで変化する相対的な概念です。

それは国と国の間だけでなく、日本国内の地域やコミュニティ間でも異なります。

つまり「多文化共生」とは、対外国人という枠組みにとどまらず、自分と他者との関係性そのものを指すのだと考えています。

--そうした多様な社会で、私たちが共生していくための鍵は何でしょうか。

一騎:
異なる背景を持つ人々が共生するには、「普通」という固定観念に囚われすぎないことが肝要です。

相互を尊重した上で、柔軟に思考し、行動していく。

もちろん、その土地特有の文化がある以上、それを尊重することも必要であることは言うまでもありません。

・一騎探検中
YouTube:https://www.youtube.com/@MiddleKingdomAdventure
X:https://x.com/kingdom_middle
Instagram:https://www.instagram.com/middle.kingdom.adventure/
bilibili:space.bilibili.com/3546692691429389

(取材・文/劉聡/在日中国人ライター。日本外国特派員協会(FCCJ)会員)

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